top of page

STORY

ああ…。

 

決まっている。

 

どんな死に方をするかなんて分かり切っている。

そんなアタシが、1から、

      

     なんもないところから、

    

            大それた夢を持っていいのか?

どうして、アタシの願いをそうやって否定するの?

自分の命より、大切だと思うものが、

 

      

        守りたいと思うものがあるんだよ?

わたしは今でも怖い

 

いつ死んでもおかしくないようなことをしているけど

 

不安で眠れなくなることがある

みんなの役に立てることがわたしは嬉しい……

 

          

    でも……

     

        

       わたしを見ててくれる人はいないから

正直、わたしはゆまの親がまともだったとは思ってない。

 

どんな親だったかは知らないけど、

 

それはゆまにとって辛い経験だったはずだ。

 

なぜ、こんなどうしょうもないアタシに、ゆまはついて来たんだか。

 

 

 

せっかくのケーキが

 

 

 

涙でしょっぱくならないように気を配るだけの、せこい奴だ。

 

 

人を愛しく想う気持ちも……

 

寂しいと思う気持ちも……

 

歩み寄りたいと願う気持ちも……

 

どれも等しく……。

 

確かにそこにあったもので、『生きた証』を見てきた。

 

見つけてきた。

 

 

 

わたしはなれるだろか?

 

彼女たちと同じく『本物』に。

 

職人になるという望みがどれだけ薄くても、わたしはこの生命が尽きるまでは戦い続ける。

 

 

わたしは魔法少女だ。

 

でもみんなの夢を叶えたり、人を守ったりするような、誰もが憧れるような存在にはなれない。

 

誰かのために戦うなんて、できればしたくない。

 

そんな綺麗なもの、とてもなれない。

 

それでもいい。

 

 

 

その代わり、わたしはこの手でやりたいことがあるんだ。

 

 

本物になると決めたから!

 

わたしにしか出来ないものを作り……

 

この手で、誰かを幸せにできる。

 

魔法少女であり、ケーキ職人の佐倉杏子に。

bottom of page